King’s Diary

ある葬儀屋の日記です。創作です。

2247/04/02

  俺をプロデュースしたいとアネットが言い出した。俺はとりあえずアネットのプレゼンを聞いた。

「『帰らぬ沈黙に花束を!umbrellaザビエル!!』…帰らぬ沈黙?どういう意味だ?」

「語感が格好いいから」

「言葉の意味は結局わからないが」

「そういうのを考えるのはお客さんがやってくれるから大丈夫」

「インタビューで質問が来たら?」

「私がそれまでに何とかする」

  それからアネットは私の傘の銘柄やスーツ、ワイシャツ・ネクタイ、靴に至るまでいちいち注文をつけて買い揃えてきた。以前キングスマンという映画を観たことがあるが、どうやらアネットもそれを観て良いと思ったらしい。正直、あれだけ傘で暴れてぶん殴ってた人間がこういう格好するのはどうだろうと思ったが、ブルーオーシャンを狙うべきというアネットの説得に従うことにした。あまり外見にこだわりが無く戦闘時に問題なければそれで良いと考えているが、それであればいったんアネットの好きにさせるのも悪くないだろう。実際どうなるか私自身も興味がある。しかし、人気が出るようにプロデュースするのも重要だが、肝心のバトルについての意見があまり出てこなかったのが気になる。まあ、経験が無いから出せないのかもしれないが。

   アネットがなりたいHEROは本当にスタジアムで戦うHEROなのだろうか?アネットは何を目指しているのだろう?